第23回

法然上人と紫雲石

案内:加納 進


紫雲石は京都市左京区黒谷町にある紫雲山金戒光明寺境内地の栗原岡丘上の塔頭寺院西雲院内東南にある祀堂の中にあります 。紫雲石を安置する祀堂は 、はじめ江戸時代初期の元和9年(1624)に中坊長兵衛が建造しましたが老朽化したため 、延宝8年(1681)に宗信法師が再建しました 。紫雲石の祀堂に掲げる『紫雲石』の扁額の書は 、書 ・茶の湯に造詣の深い後陽成天皇第13皇子の照高院宮第五代道晃法親王(1612〜1678)による揮竜です 。

 遡ること鎌倉時代のはじめ 、法然43歳の時 、浄土念仏を世に広めようと決意し 、比叡山西塔の別所黒谷を下山して 、この栗原岡の丘上にあった石に腰をおろしました 。法然がここで念仏を唱えていると 、遥か西の空に紫雲が棚引き 、その合い間から光明が射したことから 、法然はこれを霊相ととらえ 、教化有縁の地としてここに草庵を結びました 。金戒光明寺山号の 「紫雲山 」は 、この奇瑞伝説によります 。

 ※京都の史跡を訪ねる会刊行の『知られざる京の ミ ス テ リ ー ス ホ ゚ ッ ト ・巻の一<洛東編>』参照

入力:加納 進  レイアウト:岡村 拓馬